游ゴシックが推奨されていた背景

MacとWindowsには無償で「游ゴシック」という日本語フォントが付属しており、両環境で共通して使える希少な日本語デバイスフォントとして、ウェブサイトでもローカルフォントとして利用されることが多くありました。

body {
	font-family: "游ゴシック体", YuGothic, "游ゴシック Medium", "Yu Gothic Medium", "游ゴシック", "Yu Gothic", sans-serif;
}

しかし近年、特定のブラウザ環境ではローカルフォントの游ゴシックが使用できなくなっており、この傾向は今後さらに進むと考えられています。

なぜ游ゴシックが使えなくなったのか？

近年、ブラウザはユーザーのプライバシー保護を重要視する方向に進んでおり、その一環として「フィンガープリント採取防止機能」が強化されています。フィンガープリントとは、デバイスやブラウザの特徴を識別する技術であり、その１つに「フォント フィンガープリント」があります。

各コンピュータにインストールされたローカルフォントの情報を取得することで、ユーザーの環境を特定することが可能になり、プライバシーリスクが生じるため、多くのブラウザがこの機能を制限しはじめたという背景があります。

影響を受けるブラウザ

  • Safari（macOS Mojave以降）
  • Brave
  • Firefox（プライベートウィンドウ）

これらのブラウザでは、システムフォント以外のローカルフォントを利用できないよう制限されています。

Macで「游ゴシック」が使えない理由

システムフォントではない

macOSのシステムフォント（/System/Library/Fonts）に「游ゴシック」は含まれず、「追加ダウンロードフォント」として扱われます。
そのため、ブラウザはシステムフォントと認識せず、ローカルフォントとして使用できません。

ブラウザのフィンガープリント防止機能

SafariやBraveでは、システムフォントのみをウェブサイトで使用できるよう制限しています。
Firefoxでも、プライベートウィンドウでは游ゴシックの使用が制限されています。

今後ウェブサイトで游ゴシックを使うには？

游ゴシックをウェブサイトで利用するためには、以下の方法を検討する必要があります。

  1. ウェブフォントを利用する（Adobe Fontsの「游ゴシック Pr6N」）
  2. 他のシステムフォントで代替する
Adobe Fonts 游ゴシック体

Chromeの動向

現在、Google Chromeでは引き続きローカルフォントの游ゴシックを利用できます。しかし、フィンガープリント防止機能が今後強化される可能性はあり、現状の仕様が維持されるとは限りません。

まとめ

  • 「游ゴシック」はMacの一部ブラウザでローカルフォントとして利用不可
  • 理由はプライバシー保護のためのフィンガープリント防止機能
  • Macでは「游ゴシック」はシステムフォントではないため、影響を受ける
  • ウェブフォントを利用するか、あるいは「游ゴシックは使用しない」のが最善かも

ウェブサイト制作時、游ゴシックの使用が制限されていることを考慮し、新しいフォントの指定を検討する必要があります。
ご注意ください。